24プラス. 三人称です!早希の視点じゃありませんよ〜
 
              「なにすんのよ!」
 
              騒ぎ立てるお嬢さんをメルヘンな支柱式ベッドに落として、近衛は笑う。
 
              「子作り、だけど?」
 
              自分でも充分に自覚のある悪魔スマイル。見る人に、とりわけ大事な奥さんに恐怖
 
              を与えられたら最高だと考えている辺り、この男は紛れもないサディストだろう。
 
              いや、好きな者ほどいじめたい幼児心理が抜けないお子様か…?
 
              ともかく、喚く彼女に更なるダメージを与えようとシャツを脱ぎ捨てたのは大正解
 
              だった。
 
              無駄な肉のない引き締まった上半身に一瞬赤くなり、直後、青くなった早希は大き
 
              な窓を指さして酸欠の金魚よろしく口の運動をしている。
 
              「い、今、今今、真っ昼間、でしょーっ!!なんで子作り…どうして子作り…」
 
              「ん?ああ、そうだね」
 
              ようやく声になった言葉にポンと手を打った近衛が背を向けると、あからさまな安
 
              堵の吐息が聞こえるから、加虐心は尚煽られるのだ。
 
              (もっといじめてあげなきゃね)
 
              早希の望みなど全く意に介さず、ただひたすら自己満足のためにカーテンを閉め視
 
              覚的外界を遮断する。
 
              本を読むにも充分であろう光をたたえる部屋に、楽しげな男と引きつる女。
 
              「…もしもし、近衛さん」
 
              「なんです、風間さん」
 
              ジリジリとベッドを後退する早希はわかっている。
 
              ニコニコとベッドに歩み寄る近衛はしらばっくれている。
 
              「……はっきり言う、誤解の無い言葉で言う。あたしは子作り反対ですっ!」
 
              「約束、破るの?」
 
              脅迫そのもののセリフと掲げられたボイスレコーダーに顔色を無くした早希は、激
 
              しく首を振って否定した。
 
              「破んない、言い間違った。明るいうちから子作りするのは反対ですっ!」
 
              動揺ぶりと半泣きの顔から本気で間違えたとわかるから、近衛は内心吐息をついた。
 
              (残念、また一つ脅しのネタができたと思ったのに)
 
              早希が知ったら脱兎の如く逃げ出しそうな本音だが、賢い彼は決してそれを見せは
 
              しない。
 
              (逃がした獲物とは、遊べないからね)
 
              よく弾むスプリングわざわざ派手に軋ませて、ベッドボードに背を預け怯える彼女
 
              を追い込んで。
 
              「明るくても暗くても、君の身に起こることに変わりはないよ」
 
              「そんな正論、いらないから!!」
 
              早希となら、下らない言葉遊びも楽しくて仕方ないのだけれど、彼の望みはもう、
 
              この程度では満たされないほど闇を含んでしまった。
 
              閉じこめて、誰も触れないように。縛り付けて、決して離れて行かないように。
 
              恋に溺れる自分を認めるなどまっぴらだ、早く愛に昇華してしまえば彼女の奔放な
 
              行動も笑って許せるのだろうに。
 
              だが、さすがの近衛でも恋心は思い通りに操れない。コントロールを失って暴走す
 
              るに任せれば、結果それは苦しいほどに早希を拘束する。
 
              「もう、黙って」
 
              動けないようきつく抱きしめて、薄く開いた唇を捕らえ蹂躙した。
 
              深く舌を絡め、彼女の体が自分を受け入れるまでゆっくりと時間をかけて、開いて。
 
              「ん…」
 
              離れるのを惜しむように漏れる、声。
 
              ギリギリ焦点が合う、そんな至近距離はとろりと溶けた瞳や、僅かに紅潮した頬が
 
              堪能できて、近衛の理性は焼き切れ悲鳴を上げた。
 
              「早希…」
 
              好きだと、愛していると言うことができない。ベッドの中の睦言は何故だか真実が
 
              薄いから、互いに正気なその時に告げた後でなければ、使うことが許されない気が
 
              するのだ。
 
              「やだ…やめてぇ…」
 
              気づかれないようにシャツもスカートも剥ぎ取って、2人を阻むものを消した。
 
              泣かれても、懇願されても、肌に自分の印を刻むことをやめられない。
 
              「いい加減、慣れたらいいのに…」
 
              熱を帯びていく体をまさぐって、近衛は胸の頂きを口に含む。
 
              慣れないのは、彼の方だ。何度抱いても足りなくて、いつだって早希が意識を手放
 
              すまで己を止めることができないくせに。
 
              けれどそんな事実はおくびにも出さず、軽く歯を立て吸い上げ、その度跳ねる少女
 
              を堪能して。
 
              指が埋まりそうに柔らかな、暖かい膨らみを強く揉みしだく。
 
              「ん、ああっ…近衛、氏…」
 
              「隆人、でしょ」
 
              呼び名にはこだわらない彼だが、こうしてお互いを確かめ合っている瞬間だけは名
 
              を呼んでほしいのだ。
 
              自分を欲する甘い声で、何度でも。
 
              「ほら、言わないとひどいよ」
 
              強引に膝をねじ込んで開かせた泉に、ゆるりと触れた。布越しに僅かな刺激だけで、
 
              近衛は早希を追いつめる。
 
              花芽を見つけ撫でつけ、弾く。
 
              「言うっ!言うから…タカヒト…やめて…」
 
              潤んだ瞳に睨め付けられて、どんな抑止力があるというのだ。余計近衛を煽るだけ
 
              だと、気づかない彼女は永遠に被害者たるだろう。
 
              「良くできました。ご褒美だよ」
 
              唇に軽いキスを残して、彼は早希の下着を剥ぎ取るとそこに顔を埋めた。
 
              「う、ああぁ!近衛氏、ダメだってば!!」
 
              固い芽を口に含んで甘噛みすれば悲鳴にも似た嬌声が上がり、その戻った呼び名に
 
              彼は口角を上げる。
 
              「早希はすぐ、忘れちゃうんだね。僕はなんて名前?」
 
              お仕置きに指を激しく出し入れするから、もう彼女は答えることができない。
 
              半分手放した意識を快楽だけに沈めて、いつものように無意識に伸ばした腕で近衛
 
              を抱いた。
 
              (…ああ、もうすぐだ…)
 
              「スキ…大好き…」
 
              近衛が正気をなくすまで早希を攻めるのは、この一言を待っているから。
 
              強気の仮面も意地っ張りな壁も取り払ってしまえば、彼女に残っているのはなかな
 
              か口にできない本音だけで、それこそを求めてやまない狡い男は確かめるため早希
 
              を抱く。
 
              本当のところ子供などどうでもいいのだ。幼いという方が正しい彼女に、出産育児
 
              の重荷を背負わすのは本意ではない。
 
              だが他に早希をつなぎ止める方法を知らないから、お世辞にも善人とは言えない自
 
              分では突然現れる年若い男に勝てる自信がないから。
 
              「子は鎹…と言うしね」
 
              ねだるそこに己を埋めながら、近衛は自嘲する。
 
              ただ喘ぐだけの早希を翻弄しているようで、実は彼こそが少女に溺れ縋っていると。
 
              何度も抱いて、いくつも消えない跡を残して、僅かの安心と確かな存在を腕の中に、
 
              しばし微睡みを貪ろう。
 
              果てて心地良い睡魔に身を委ねた男は、すり寄る女に満足な笑みを浮かべた。
 
 
 
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                  …どこまでは、オッケーなんですかね?          
                  R15の定義がわからんが、これはただの近衛心境暴露なんじゃ…。    
 
 
 
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